もののとけ方(とかしたものを取り出す) [5年理科]

【ろ過をして取り出す】
前時で作ったミョウバン水溶液をろ過し、
さらに冷却して、ミョウバンの粒が出てくるかを調べる実験。
ろ過した透明な液体にミョウバンが残っているかどうか?
の予想がポイントで、「透明だから残っていない!?」の予想に対して、
こし取ってろ紙に残ったミョウバンの量が、
前時の実験で、ビーカーに溶かした量よりも少ないことに注目させます。

ろうと台使用の際、
「ビーカーのかべにろうとの先(足)をつける」が、
プラスチック製のろうとのため、軽すぎてうまくできなかったり、
水でぬらしたろ紙を破いてしまったり・・といったことがありました。

ろ過した液を冷却する実験では、
教科書にあるような、容器に氷を浮かべた程度では
なかなか抽出できませんから、ここでもEPS箱を使い、
氷水には食塩を入れて、さらに温度を下げます。

氷ビーカー.jpg

20~30分程度、冷却するため、その間に
食塩水を蒸発させて、取り出す実験を並行して行いました。

食塩蒸発.jpg

ミョウバンは、わずかな量なので、黒い机の上で確認します。

食塩ビーカー.jpg

また、「ミョウバンも、蒸発させると粒が出てくるのか?」
といった疑問を投げかける子もおり、
結果のまとめを先生がされている間に、
ろ過したミョウバン溶液を、食塩と同様の方法で蒸発させ、
授業の最後に見せて確認させました。

食塩蒸発2.jpg



今回の実験では、
導入時に行った「いろいろなものを溶かす」実験から、
別の視点を持ち、仮説をたてた男子がいました。

コーヒーシュガーのように、色のついた水溶液をろ過した場合、
コーヒーシュガーすべてが、ろ紙でこし取られるのなら、
ろ過した溶液には、色がつかないのではないか?
(=色がついていれば、すべてをろ過できていない)
といった内容です。

「では、やってみましょう」と先生からのGoサインが出たので、
子ども達がミョウバン水溶液をろ過している間に、
コーヒーシュガー溶液とろうと台を準備し、早速やってみました。

コーヒーシュガービーカー.jpg

ブラウンシュガー濾過.jpg

結果として、ろ過した溶液が透明ではなかったことで、
より理解を深めたのではないかと思います。

これまでは、このような意見が出たことがありませんでしたし、
導入実験で選択した、いろいろなものの水溶液について思い出し、
行った実験との比較ができることに、改めて感心しました。


もののとけ方(温度と溶ける量) [5年理科]

研究会をこの単元により行うため、
教科書を飛び越して授業を進めてきましたが、
先生方もお忙しい中、授業予定を調整していただいて、
ぎりぎり冬季休暇までに、実験を終えることができました。

1月から、「おもりをふったとき」の学習に入っていますが、
「もののとけ方」での授業を、少し振り返っておこうと思います。

実験【水の温度ととける量】

水温10℃(水道水)、30℃、60℃でのミョウバンと食塩の溶ける量を比較します。
教科書では、丸型水槽に70℃の湯(指導用教科書には、
ポットの90℃のお湯を入れると70℃になると記載)を入れ、
温める写真が載っていますが、ちょうど冬場の時期でもありますし、
これでミョウバン水溶液を60℃にするのはかなり難しいです。

指導書には、実験用コンロを使う例も紹介されていて、
これまで、この実験に関しては先生に、どちらで行うかを確認していましたが
今年度は、EPS箱を使う方法で行いました。

ただ、EPS箱の中でも、ミョウバンを加えながら60℃を保つのは困難なので、
最初は80℃程度の湯を入れて準備をしておき、
30℃の実験が終わったあとで、熱いお湯と交換します。

ほぼ熱湯を入れても、冷めてしまうため、
途中で、熱いお湯を追加したりして対応しました。

この時、おそらく冷めていくのを防ごうと思ったのでしょう、
EPS箱のフタをする班がほとんどでしたが、
フタをしたはいいが、中でビーカーが倒れてしまった班があり、
次のクラスからは、注意して回りました。

この実験でコンロを使う場合は、
湯せんで温めるよりも、早く温度を上げることができます。
ただ、最初はしっかり見ているのですが、
ミョウバンを加えて熱する工程を何度か繰り返していくうち、
子ども達は、慣れると集中できなくなったりして、
温度が上がり過ぎてしまうことが少なくないことと、
やはり、やけどの心配もあるため、
湯せんの方が良いのかなぁという気がしましたが、
それはそれで、お湯の準備も大変でしょう。

この後、使用した水溶液をろ過する実験を行うため、
ビーカーにはそれぞれ、薬品名と班を記入して保存しますが、
授業終了後、室温にさがるとビーカーの底に出てきたミョウバンを
少しかき混ぜておきます。

ミョウバン食塩ビーカー.jpg

これは、水溶液が冷めないうちにろ過の実験を行うと
ろうとの足の中に結晶がついてしまうので
完全に冷めてから=翌日以降の行う場合がほとんどでしょうが、
ちょうど冬場でもあり、そのままではビーカー内でガチガチに固まってしまうためです。

これまで支援に入った学校のうち何校かは、
理科室に、ミョウバンがこびりついたビーカーが放置されていて
一番最初のお仕事が、その洗浄だったりしましたから・・・。


※今年度は、保管すべきビーカーの水溶液を、
実験道具の洗浄~片付けとともに洗い流してしまった班もいくつかありました。

EPS箱の中でビーカーを倒してしまった班も同様ですが、
こういったミスの場合、原因は、
注意不足だったり、先生の説明を聞いていなかったり・・
~といった場合が多いです。

今回、即座に代わりの水溶液を準備しようとしましたが、
先生には、止めるよう指示がありました。
一旦は、反省するように、ということだと思います。

しかし、それでは次の授業に支障が出てしまうため、
記録をもとに、同じだけ溶かしたビーカーを次の授業までに補充しました。




もののとけ方(シュリーレン) [5年理科]

全体研の翌日、2つのクラスは早速、シュリーレン実験を行いました。

前時で、どのような状態が「水に溶けた」というのか? を学習した後、
溶けるということは、全体に広がっていくのだということを押さえます。
実験は、教科書にあるように、食塩の入ったお茶パックを、
水の入ったビーカーに吊るして、食塩が溶ける様子を観察します。

お茶パック.jpg

【準備】
お茶パックに入れる食塩の量ですが、多すぎると延々と溶け続けます。
できれば、食塩が無くなったときの様子も観察させたいので、
今回は、薬さじ(小)に約3~4杯(10g~12g程度)をお茶パックに入れ、
割り箸に、ステープラーで止めました。

薬さじ食塩.jpg

これに、500ml用ビーカー、実験用雑巾 をバットに入れて
各班1セットずつ用意します。

【実験】

ビーカーに水を500ml入れて、机の上に置きますが、
その際、まわりについた水滴を雑巾でふき取ったあと、
ビーカーの下に敷いている班が見受けられました。
気持ちはわかるのですが・・・ 外すよう指示。

雑巾の上.jpg

【結果について】

毎年、思うのですが、結構インパクトが強い実験なので、
「わー、すごいすごい!」と喜びます。
感動は大事にしたいので、最初はそれでいいのだ!と思っています。

シュリーレンUP.jpg

少し時間をおいて、
「様子を観察するんじゃなかったっけ?」と声をかけます。

言葉であったり、図に表したり・・・と、表現は様々ですが、
途中、
「上から下りていった後は、どうなってるかな?」
と、観察ポイントを広げます。
真横から見た様子も興味深いです。


今回、状態の発表で驚いたのは、
お茶パックを着水した直後の様子を発表した児童がいたことでした。


「水につけてすぐは、食塩の粒が溶けていたけど、
そのうち筋のようなものに変わっていきました。」


もちろん、お茶パックの繊維を
粒のまま、食塩が溶け出すことはありえません。

しかし、その子は、
実験開始直後、普通ならワイワイと面白く観察するところを
状態をしっかりと観察していたのでしょう。



授業が終わって、同様の実験をやってみました。
改めて見てみて、納得しました。
たしかに、溶けだす瞬間の様子は、粒が出てきているように見えなくもないのです。

シュリーレン粒.jpg

最初から、じっくりと観察していたんですね。拍手!


もののとけ方~導入2~ [5年理科]

理科支援・校内研修会/全体研で、校内の先生方全員が参加されました。

①前時の振り返り   
 ・生活の中の「とける」という言葉
 ・「水にとける」と思うもの
     【問 題】
     どのようになると水がものにとけたといえるのだろうか?
②予想
 ・4種類の物質を使って実験、観察を行なうことを提示し、予想する。
③実験
 ・4種類のものを溶かし、観察する。
④結果
 ・「混ぜたとき」「しばらくして」に分けて記録する。
⑤考察
 ・実験結果から、溶けるもの、溶けないものに分け、理由を考える。
⑥まとめ
 ・ものが水にとけるということは、どういう状態なのか?をまとめる。
 ・次時の学習課題について(食塩のとけ方を詳しく観察する)

準備物(8班分)
準備物トレイ.JPG
ビーカー×4(水80mlを入れておく)
食塩1g・ブラウンシュガー1g・黒土1.5g・片栗粉1g
実験用雑巾1枚 ガラス棒4本

※45分間で授業を行なうため、水も汲み置きしておきました。
ガラス棒も、洗う手間を省くため、1種類1本、各班ごとに用意します。

4種類の物質ですが、薬包紙で包み、ビニールテープで
中に入れてあるものを表示しておきます。
  以前は、ビーカー側にも同色で テープ表示 しておく方法を
  取っていましたが、今回は、薬包紙を開く際にはがしたテープを
  そのままビーカーの表示に使うようにしました。

また、4種類の物質について、
実験前に児童に見せられるよう、チャックつきポリ袋に用意することにしました。
試薬見本.JPG

教育委員会の先生からの講評で、これが各机にでもあれば
より良かったかも・・・とありました。

また、「土」では、机が黒いため、下に白い紙を敷いたほうが良いとの指摘も。
「片栗粉」が白色のため、不要だと思っていましたが、
たしかに黒土は溶け残りが見えにくかったように思います。
1種類だけでも、黒い紙を用意しておいたほうがよかったかもしれません。



実験では、その様子をワークシートに記入していきます。

ワークシート2.JPG

予想では○×を記入しておきますが、
結果については、「どのようになれば水がとけたということになるのか?」
を、観察した内容を元にまとめた後、
最終的に判断する流れとしました。

観察した様子については、
・なくなった
・見えなくなった
と、表現の違いが出ており、
「水にとけたもののゆくえ」での水溶液の重さの比較実験での
良い課題になったと思います。

ビーカー4.JPG 

その他、このクラスでも、食塩を溶かした後の気泡に気づく班が
いくつかありました。
溶かした物質と違うのは明確なのですが、
水に気体が溶けているのを学習するのは6年生になってから。
なにか、気泡についてわかりやすく伝える方法があれば良いのですが・・・・


もののとけかた(研修会準備)2 [5年理科]

昨日、さらに別のクラスで、同内容の授業を行いました。

「土」については、
けと土をやめて、黒土を持参。

一度だけ洗い出し作業を行い、蒸発皿にて乾燥。

黒土洗い出し.jpg

(やっぱり、これだと「土」って感じだなぁ)
と思いながら、先日の校庭の土と比べてみます。


上左が校庭の土、上右が黒土、
下が、試しに混ぜてみた混合土です。

土比較S.jpg

水に入れて実験。左が混合土、右が黒土です。
やはり濁りも欲しいので、黒土のみで準備することにしました。

混合土比較.jpg



実際の授業では、
①片栗粉
②土
③コーヒーシュガー
④食塩
の順に、水に入れて混ぜていくのですが、

①・・・・かきまぜ(数秒)→「とけたとけた!」

②・・・・かきまぜ(数秒)→「とけた?」「にごった」「とけないよ」



③・・・・かきまぜ(数秒)→「とけないよ」

③コーヒーシュガーは、
今回は、少し粉砕して、量も減らしていたのですが、
やはり、かきまぜてる途中で、あきらめちゃうんですね・・・(-_-;)

で、前回の授業後の打ち合わせ通り、子ども達に
「粒が減ってるってことは、もうちょっと混ぜてみるといいかも?」と
声掛けをしてみたり、代わって混ぜてみたりしていきました。

そうすると、もちろん「なくなった」という結果にたどり着くのですが・・・

このクラスでは、
「じゃ、片栗粉や土も、もう少し長く混ぜていたら溶けてたのかな?」
という疑問を持つ子どももいたのです。

それは、たしかに自然な流れの中で思いつくことでしょうし、
大切な気づきだったりするんですよね。


しかし、「しばらく置くと?」の状態を観察するため、
一度混ぜたら、途中でもう一度混ぜるということは禁じています。

ですから、この日の授業では、
④食塩・・・・(1分程度)→「とけたとけた」

と、続行しましたが、
終了後、先生と二人で、またまた検討会です。

コーヒーシュガーを使う理由はあくまでも
「色がついていても透明=とけている」を認識させたいためなので、
「とけにくい」という障害をなくし、
粉末にしたコーヒーシュガーを使おうか?と・・・。

でもそれでは「コーヒーシュガー」じゃないですよねぇ・・




というわけで、色つきの砂糖(ブラウンシュガー)を、
溶かす物質に加えることにしました。


明日、最終的な打ち合わせをして、研修会本番は25日(木)です。

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