理科支援員と事業仕分け [理科支援]


今回の政府の事業仕分けで、理科支援員配置事業も廃止と判定されました。
※来年度も理科支援事業は継続となったそうです・・・・【追記 H22.1.5】

何事でもそうですが、現状を簡単に説明すると誤解を招きやすく、
それを避けるために、向かい合って会話するのではないかと・・・それを
短い問答で、正確な伝達が可能なのかと思うのです。

私は、教員になりたいと思ったことはありません。
3年前、事業開始のときに、私と同様、ボランティアで科学教室を
行なっている知り合いからの紹介で、支援員になりました。

【共同通信より】理科支援員等配置事業は、子どもの理科離れを改善するため、小学5、6年生の一部授業に、研究者や大学院生などを理科支援員や特別講師として派遣。来年度に5500校分、22億円を要求したが、仕分け人は「すべての子どもに平等に機会が与えられるべきだ」「理科専門の教員を採用できるような抜本的な改革が先だ」などと指摘し「廃止」と判定。

なんとなく変わった?と感じているのは今年度からです。

その知り合いが、どうもつらそうなのです。
学校の先生に歓迎されない感じがあったのか・・・?
その知り合いの支援員さんはとても頑張り屋の方のはずなのに、
時折、ぼやいておられたのです。
他言無用と具体的には話されなかったのですが、
自分の頑張りが足りないのだ、と一言・・・・。

支援員をやめたいと言う人もいたと聞きます。

今年は、それまで以上に理科支援員の人数が不足していて、
一般の主婦の方々にも募集されたとか。

単純に、試験管やビーカーを洗うだけが支援員の仕事ではありません。
学校によっては、先生から、これとこれと・・と、具体的に準備物を
指示されるところもあるかもしれませんが、
それではかえって先生の手を取らせてしまうので、
私達は、指導教科書を読み取り、自ら行なってきました。

「理科支援員は実験の達人」めいたことが、学校側に伝わっているのか?
「なんでも支援員の先生に聞けば良い」と振る先生もたまにいらして
授業内容の予習も欠かせませんでした。

でも、実験が好きでボランティアをやってきた私達なので
それは苦労にも感じず、むしろ教養の幅が広がるものと
積極的に勉強してきたつもりです。

ただそれが、一般募集となって、さほど理科が好きでもなく・・
といった方が支援員になられていることも事実のようで、
それでいいのかなぁ、と感じていたのです。

また、今年度は、理科支援員に、ボールペン、蛍光ペン、シャープペン
の「箱入り」の3本セットが配布されました。
しかも「理科支援員配置事業」と印刷されています。
また、同じく事業名の入った名札。
これにはかなりの疑問を持ちました。必要あるの?と・・・
だって、ペンを支給していただけるのは有難いことですが
それに印刷しなくても・・
理科支援員.JPG

私達は、日々、科学教室を実施するために、
材料費を1円でも安くできないかと、ダイソーを駆け回ったりしています。
ですから、印刷してノベルティ化するくらいなら、
その費用を教材にあててほしいと感じてしまうのです。



「すべての子どもに平等に機会が与えられるべきだ」
たしかに、支援員の配置校は全校ではないのです。
支援員が不足なのか、予算が不足なのか、私にはわかりませんが、
希望しても落選する学校もあります。

校長が希望しても、実際の先生方は、もしかしたら
かえって面倒だと感じる先生もいらっしゃるのではないかとも思います。
個人的には、理科専科の先生がおられる学校は、支援員は不要だと
思うのですが、そういった学校にも配置されている例もあります。

「理科専門の教員を採用できるような抜本的な改革が先だ」
小学校の先生は、ほぼ全教科を担当しています。
家庭科、音楽、体育、理科などは、
専科の先生がおられる場合もありますが、
少人数の小学校などはそうもいかない現実もあるでしょう。
そのあたりの改革でしょうか。

来年度、理科支援員事業がなくなるのならば、
学校全体の、授業を充実するための予算にしてほしいです。

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コメント 6

のんぴー

初めまして!初コメです。
私は理科支援員しています。3年目で、現在は2校担当しています。
今回の仕分けの結果は、情けないことに主任から言われるまで気づきませんでした。事業仕分けなんて自分には関係ない!と思っていたので。もっとも、もう1校の先生たちは知らないようで…。教育委員会からはこれからどうなるのか、まったく連絡もなし。いつ終わりを迎えるかわからないので、今はできることを精一杯やらねばと考えています。
どちらの学校も理科を専門にしている先生がいないため、また、先生方はとても忙しいため、準備だけでも大変かと思います。どんな小さいことでも、「助かります!ありがとう!」と言っていただき、毎度恐縮しているんですが、現場の偽りない気持ちなんだろうなと思います。
やっぱりなくなっちゃうんですかねー。子供たちともおもちゃを作ったり、理科室の備品で遊んだり、ようやく理科室に通ってくる子供が増え始めたところなのでとても残念です。

by のんぴー (2009-11-23 14:52) 

Yumi☆

のんぴーさん はじめまして。
理科支援員さんからのコメント、嬉しいです。
のんぴーさんも頑張っておられるのですね。

3年目2校担当:私も同じく、です。
JSTの他の助成金も使わせていただいているので、今回の事業仕分けも
気にしていたのですが・・来年度はどうなるのでしょうね。
こちらも翌朝、校長に話しても「え?そうなの?」とご存知ありませんでした。
現在は文部科学省で意見等も募集しているようですが・・・。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

廃止の理由からすれば
じゃ、各学校に理科専科の先生を配置すればよいのでは?
と思ってしまいますが、そうなると今回の廃止予算どころじゃないのではないでしょうかねぇ・・・

一部の先生を除いて、小学校の先生は本当にお忙しそうですし、それゆえ
「5-6年生だけではなく、他の学年にも」という声も聞かれますが、
実際には、5-6年生の実験内容は、薬品類等、
なにかと時間のかかる単元も多いですよね。

最初の年は、なにをしたらいいの?と戸惑いの中でのスタートでしたが
2年目、3年目、と、経験を重ねるごとに、
やるべきことが見えてきたように思うのです。だから、
理科支援員、という立場が定着していけば、もっと
先生と支援員とで、仕事の振り分けができて、
授業も充実していくのではないかなぁと思います。


by Yumi☆ (2009-11-24 17:19) 

のんぴー

ほんと、 Yumi☆さんのおっしゃる通りだと思います。
5,6年生が対象の事業ということは言われているのですが、私は3,4年生の実験の準備もやっています。結構こういう支援員さんは多いのでは?どこも先生方はとても忙しいようなので、5,6年に限らず理科支援員をうまく使えればいいのになあと思います。 Yumi☆さんのところは学年別なんですね。私のところは1校1人。初めは何をしたらいいのか学校側もこちらも戸惑うばかりでした。ようやく順調に回るようになったのですが。理科専任の教師…と言ったって、全部の小学校に配置されるまで何年かかるのやら。突然事業を打ち切ったら、困るのは現場なのに。
ところによっては11月いっぱいで理科支援員の配置を中止するとか、時間数を半減するとかいう自治体が出てきたようです。明日は我が身です。そろそろ校長に話に行った方がいいのかなー。「え?そうなの?」って言われそう…。ともあれ、自分なりに生きがいを感じていたので、くやしささえ覚えます。
人様のコメント欄でグチばかりですみません。
by のんぴー (2009-11-25 22:08) 

Yumi☆

のんぴーさん、こんにちは。

こちら、クラスが多い場合は、1校に3人配置されています。
その場合、同学年で2名の支援員が担当することになりますから
クラスを固定しなければ、かえってやりにくい例もあるのですが・・。

>ところによっては11月いっぱいで理科支援員の配置を中止するとか
えっ、そうなんですか?
今年は今年の予算ですよねぇ・・
(いまだに、担当の先生から「支援員の今後」についての
話は出てきません。私からもあえて出していないのですが・・)

理科支援も3年目ということで、今年は支援員希望を
落とされた学校もあるせいか、今、行っている学校は2校とも
「ずっと支援員さんが来てくれるわけではない」という意識も、
多少は持たれています。
おそらく、大体の学校では、まず理科室の整備から取り掛かり、
備品などの置場を確認しつつ、授業の準備をしていく、
といった感じでしょうが、
のんぴーさんがおっしゃるように、3-4年生の方も
手伝われている支援員さんもいらっしゃるようですね。
それはやはり、支援員として、
理科室について(もしかしたら学校一?)把握できているから
かもしれません。

私は、5-6年生以外は、あまり関わっていませんが、
教材提供などをするときなどは、T1のように授業を
進めることも時々あり、それはやはり、自分自身にとっても
やりがいのあることだったりします。

頑張って取り組んでいることだけに、「廃止」の判定には
なんだか報われない寂しい気持ちが残りますね。


by Yumi☆ (2009-11-26 14:35) 

さし

遅ればせながら、理科支援員が事業仕分けで廃止になったことを知って驚いています。
私は民間の会社を定年退職した後、理科支援員を1年間行ってきました。やっと仕事にも慣れ、学校の先生方にも頼られてきました。生徒からも「将来科学者になるんだ。」とか「専門は何ですか?自分も科学に興味があります。」等聞いた時は、生きがいを感じたものです。自分の知識がこれから役立つことができると思っていたので、廃止の報は非常にショックです。学校の先生はあれやこれはと忙しく、とても前実験をする余裕はありません。教科書では実験の結果が乗せてありますが、実際の実験では教科書どうりの結果を得るにはたやすい事ではありません。前実験なしで、思うどうりの結果が得られないで困惑する先生も何度か見ています。更に進んだ実験に踏み出せない先生の姿も見てきました。そういう教育現場を見ているとやはり理科支援員のような理科専門の人は非常に必要だと思います。理科実験を行っている時の生徒は非常に生き生きしています。理科実験は生徒の好奇心を駆る面が多いと思いますし、将来社会人になった時も自分で確かめてみると言う創造的な面も身に付くと思います。でも現場の先生はその重要な実験に時間を割けないでいるのが現実です。ですから、私の経験では理科支援員は理科教育の核の面で重要な役割を担っています。
 事業仕分けではほとんど成果無く、継続事業での削減額は1兆円以下と聞いています。しかし、何を間違ったか将来への投資である理科支援員事業を廃止してしまったことに驚きを感じています。その給与は交通費なしで、時給1000円です。とてもこれが無駄で、世間の良識に外れているとは思えません。むしろ、無駄は行政刷新会議の仕事です。ほとんど成果を上げられないばかりか、重要な仕事も廃止して未来を切り捨ててしまっています。スパコンを「なぜ世界一でなければいけないか?」といった見識しかないのか、理解できそうです。そういう質の集団が世の中のトップに立って物事を決めているのには誠に驚かされます。
by さし (2011-04-07 22:43) 

Yumi☆

>さし さん

こんにちは。コメントありがとうございます。
理科支援員配置は地域によって異なるみたいで、
既に23年度の募集をされている県もあるようです。
私のところは、平成23年度については未定ですが、
22年度の終わりのアンケートで、次年度について、支援の可否の項目がありました。
(23年度についての打診は、まだありません。)

21年度までは、支援員になる人も不足していて、
それまで理科に携わっていなかった主婦の方や学生さんも
支援員として活動されていましたが、
事業仕分けの後、理科支援員事業の見直しが行なわれ、
22年度には、学校数も、支援員数も、ぐっと減りました。

小学校の先生方は、年度が変わると受け持ちの学年も変わる場合もありますが、
支援員は、5-6年生に限定されているので、
何年か継続して活動していくほど、指導の幅も広がっていくと思うのです。

その反面、学校側は、支援員が入った年は、
いろんな刺激もあり、先生方も積極的に授業に取り組まれますが、
もしかしたら、その年だけ・・になってしまうこともあるような気がします。
それでも、
理科支援事業は、意味のないものでは決してないと思います。

現実は、実験は教師実験のみ、とか、
ビデオを見るにとどまる学校も少なくありません。
まずはなぜ、実際に実験を行なうことが大切なのか、
それをわかってくださる先生が必要ではないですかねぇ・・









by Yumi☆ (2011-04-08 14:56) 

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